戯言堂 その5 

「人に歴史あり」予言小説の謎

ユニコーン再始動のごたごたの中で、ちょっと注目を浴びたのが、
『人に歴史あり』1巻の中にある「架空小説」が実は結構「予言小説」になっているということ。

『服部』発売のちょっと前、89年2月に「10年後を想像」して書かれたこの小説。
1999年を舞台に、1989年以降のユニコーンを振り返るというスタンスの内容です。
折角なので、再始動を機にその内容を検証してみようと思います。
ちなみにユニコーンと直接関係無いけど、序章から検証します(笑)

というわけで早速比較検討

0)「1999年」の描写
小説(予想)実際は?
アメリカとソ連が核軍縮交渉×ソ連、無し。
ドラクエVII発売×ドラクエVIIは2001年
ただし、2009年は「ドラクエIX」発売なので、当たらずとも遠からじ。
CATVの普及により情報が氾濫×ネットが広まったころですね。CATV普及で情報氾濫するんかな(^^;
活字離れ加速○まあその通り。
音楽シーンにさほど変わりなし×色々あったと思いますよ…
という訳で、「未来予想図」そのものは結構外れてます(^^;
問題はここからです。
1)ユニコーンの快進撃と、その後
小説(予想)実際は?
3rdアルバムから波に乗る○その通り。
音楽を中心に幅広い活動をしていく○その通り。
各自がソロ活動を開始○その通り。
最初のソロアルバムリリースは民生×EBI
各自のソロワーク
民生⇒ソロアルバムリリース
手島・川西⇒セッションライブ、他のアーティストのレコーディングに参加
EBI⇒他バンドでの活動、アルバムリリース
阿部⇒バンドプロデュース、アレンジャー
○解散後の活動で考えるとほぼその通り。
様々な雑誌で何度も解散説が出る○出ました。
本人たちは「解散」を口にすることは無かった×一応一旦解散してます。
6枚目のアルバムが実質最後のアルバム○ミニアルバムを除くと丁度6枚。
活動停止は1996年×1993年
活動停止後
音楽業界に残っているのは阿部のみ
×何だかんだで全員。
ソロ活動の予想はさすがです。この時点(2枚しかアルバムが出てない時点)でほぼ正確な予想が立てられる位、 メンバーの立ち位置は基本的に変わっていないということですね。

以下は、「再始動」についての記載になりますが、 この小説上では「解散」をしていないので、 休止状態になっていたユニコーンが復活、というスタンスで全てが進みます。

実際はキッチリ解散してるんですが、今回(2009年)の「再始動」という 「ユニコーン再結成」の公式スタンスを見るに、ユニコーンのこの15年は 多分これに近い状態であったとソニー的に定義付けているのではないかと思います。
2)「再始動」の顛末
小説(予想)実際は?
再始動は1999年12/31×公式には2009年1/5
年末年始ということでは正解。
週刊誌に再始動をスッパ抜かれる△スポーツ紙にスッパ抜かれる
民生の部屋に大量のファミコンソフト×PS1の最後の頃
民生曰く
「再始動は(再始動の噂で)世の中が盛り上がってからじゃないと
面白くない」
○民生の、ではなく
ソニー的スタンスはコレかと。
公式発表までの「再始動フラグ」がやたらに多かったのはこのせいか!?
再始動ライブは12/31,渋谷×3/5,山形
ライブ最後の民生の台詞
※是非実際に本で確認してください
◎すごく言いそう。
てか、言われたら泣く。マジで泣く。
最後、頭の中でリフレインする阿部の台詞
※是非実際に本で確認してください
◎今回のメンバー的な
再結成スタンスはコレでしょう。
今だから泣ける。マジで泣ける。
最後二つの台詞はこの小説のキモだと思うので、あえて書きません。
是非入手して読んでみてください。
リアルタイム世代じゃなくても「グッ」ときます。

この小説が書かれた時点と、今再結成した時点とで最後の台詞の重み、味わい、心へのヒット具合(笑)は全然違います。

まとめ

【まとめ】
多分、当時はかなり軽い気持ちで書かれた小説だろうと思います。
しかし、今となってはある程度「予言」に相応しい内容になっています。
一番驚いているのは多分これを書かれた方だろうなぁ…。
読んだことが無い方は一読の価値アリですので是非探してみてください。